彼氏のこと。





「賢くん..」



「待たせてごめんな
これ渡しときたくて」



賢くんが手を差し出す



あたしが広げた手のひらに
賢くんはそれを置いた



「これ..」



それは



あたしがあげた
おそろいのネックレス..



「これで終わりな
じゃ俺クラス会あるから
またな」



あたしは引き止めたかった



「あのっ..賢く―――」



「もう無理だって言ってんじゃん」



後ろを向いたままそう言い放ち
賢くんは行ってしまった



「終わ....り?」



ひとりで有頂天だったあたし



現実は真逆だった



でも不思議と
自然と受け入れた



理解した



もう涙は残ってないのか



悲しいはずなのに
涙がでない



代わりに指先が
痺れるように痛んだ






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