彼氏のこと。





ふたりでチーズケーキを食べて
テレビを見ていた



またしあわせな時間が流れる



あたしは賢くんの横顔を見て
今となりにいるってことが
最高に嬉しくて
賢くんに寄りかかった



「どした?」



賢くんも笑ってる



それを確認してあたしはまた
しあわせに浸っていた



「遠距離」という言葉が頭をよぎる



今のあたしたちなら
きっと大丈夫



何度も捨てようとした希望が
まだちゃんとあたしの中にあった



「ねぇ賢くん」



「ん?」



賢くんはテレビのほうを
向いたまま答えた



「あたし指輪がほしい」






< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop