彼氏のこと。
ふたりでチーズケーキを食べて
テレビを見ていた
またしあわせな時間が流れる
あたしは賢くんの横顔を見て
今となりにいるってことが
最高に嬉しくて
賢くんに寄りかかった
「どした?」
賢くんも笑ってる
それを確認してあたしはまた
しあわせに浸っていた
「遠距離」という言葉が頭をよぎる
今のあたしたちなら
きっと大丈夫
何度も捨てようとした希望が
まだちゃんとあたしの中にあった
「ねぇ賢くん」
「ん?」
賢くんはテレビのほうを
向いたまま答えた
「あたし指輪がほしい」