孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
少年は、退屈していた。

金が、ない。夢が、ない。働く気もさほど、ない。

ないない尽くしの人生に嫌気が差す。

いや、ないものばかりではない。

遊びたい気持ちや、時間はあるのだ。


高校卒業後、やりたいことを見つけられずに気の赴くまま、アルバイト暮らしをしている。

半年間、そのような状態が続く。



その日も彼は金がかからない暇潰し――散歩をしていた。

だが、彼に転機が訪れた。

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