孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
全く同じ人が存在しないのと同じように、人の心の中も違う。

つまり、住人の様子が異なるのだ。

『明るさ』や『温かさ』、『優しさ』が堂々としていることから、この心の持ち主がどのような人間なのか推測できる。

明るくて温かく、優しいらしい。

いわゆる『いい人』ってヤツだ。

けれども、ぼく『弱さ』にとって全然いい人ではない。

自分の弱さを、否応なしに認識させられるから。




「ねえ、『弱さ』」

突然背後から声を掛けられ、ぼくは驚いて振り返った。

< 48 / 90 >

この作品をシェア

pagetop