孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
「あんた、妙に暗い表情をしてるね」

落ち窪んだ目。紫がかった口。青白い肌。

「きみには言われたくないよ、『暗さ』」


そう、『暗さ』もここでは居場所がなさそうな一人だった。

共通している部分はあるけれども、言葉を交わしたことは一度もなかった。


「あっそ。悩んでそうだから話し掛けたのに」

淡々とした口調だった。

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