孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
「あんたは『弱さ』なんだから。何かできるようになって強くなったほうが変だって」

「そっか」

雨雲が消えて、太陽が顔を覗かせたようだった。

ぼくは弱いから『弱さ』なのだ。

「そうだよ」

返事をした『暗さ』の顔はやはり暗くて、ぼくは笑いを堪えるのに必死だった。


(了)

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