孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
「なあ、昨日寝た時、何か夢見たか?」

遅刻寸前で教室に入った途端、大して仲の良くないクラスの中心人物に声を掛けられた、J少年は面食らった。

「うん、見たよ」

「どんな?」

「変な動物が出てきて、その動物が泣く映像をテレビが流してたんだ」

J少年の言葉に、クラス中の生徒が顔を見合わせた。

「すっげーな。これでクラス全員が同じ夢を見たことになるぞ」

「本当に?」

思わずJ少年は目を丸くした。

「ああ。ちなみに、その動物の名前、憶えてるか?」

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