孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
「ラドンさんってどんな外見だった?」

鬼が出て行った教室では、そのような会話が繰り広げられている。

「大まかな体格は猫が二本足で立ってるようなんだけど、全身が緑色だったんだよ」

「あ、全く同じ。気持ち悪いよな」

「うん。泣かれてもどうしようもないし」


その日、『ラドンさん』に関する話題が尽きることはなかった。

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