孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
放課後、部活を終えてJ少年は一人で帰途についていた。

道に落ち葉が横たわっている。

踏みつけると、パリッパリッ、と小気味良い音がした。

かさぶたを剥がす時のように、奇妙な快感を覚える。

視線を落としたままの地面に、ぽつり、と何かが染み込んだ。


――雨粒だ。

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