孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
どうしたというのだろう。

声は必要ない気がしたけれども、わたしは戸惑っていた。


そんな時だ。見知らぬ存在が目に入ったのは。

「初めまして」

三角で、先が鋭く尖った真っ黒の帽子。

多くの皺が刻まれた、白っぽい肌。

線のように細い目。

そして、わたしと同じ声。

「あ、あなたは……誰ですか?」

思わず尋ねていた。

「魔女だよ」

「ま、じょ?」

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