孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
狐につままれたような気分で、わたしは階下へ向かった。

「あら、ノン。調子はどう?」

お母さんが聞いてくる。

「あ、もう、大丈夫だよ」

「そう、良かった。明日からは学校に行けるね」

「あ、あ、そうだね」

すっかり忘れていた、学校の存在。

ブルーな気持ちが募るのを自覚しながら、わたしはその日を過ごした。

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