孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
月が麗しく輝く夜、男は道端でぽつねんと佇む少女に目を奪われた。


月影により光を帯びている、小豆色の髪。

まるで情熱を纏っているかのような、深紅のドレス。


しかし、最も印象に残ったのは、鳶色の瞳だ。

それは水を与えられていない花みたいに、生気がなかったのだ。

< 84 / 90 >

この作品をシェア

pagetop