初めての恋
数日がたった。


変わらない毎日の中で、確実に変化していた事。


今まで透と麗の間には、友情という関係があった。


でもお互いの気持ちがわかり、毎日手をつなぎながら、行き帰り一緒にいるうちに、もっと相手を知りたくなった。


愛しいという気持ちに自分達が気がつきはじめる。


心も体も未熟ではあるが、愛し合うという形に、気持ちが近づいているのは確かだった。


「麗、俺の家に来る?DVDでも見ない?」

透の部屋へ行くのは、小学生以来の事だった。何だか緊張する。


「変な事しない?」


「変な事~……しちゃうかも…」


「じゃあ行かない!」

「うそうそ。麗が嫌がる事はしないよ」


「じゃあ行く!」


透の家は玄関を開けて、すぐ隣が階段だったので、靴を脱いでそのまま二階へあがった。


透には姉がいたので、友達の出入りに、親はうるさくなかった。


前に遊びに来た部屋とは違っていた。隣の少し広い部屋に代わっていた。


「透のベッドって、セミダブルだよね。一人で寝るのにどうして?」

「シングルって寝返りうつと落ちそうだから、デカイのにしてもらった~」


「寒いから、ストーブの傍に座って」
< 12 / 32 >

この作品をシェア

pagetop