初めての恋
透は、ホットミルクの入った可愛いカップを2つ、テーブルに置いた。


麗は、透の部屋を色々観察していた。


「麗って、男の部屋入ったの初めてか~?」


「うん、他の男子と仲良くないし~」


「男の部屋に軽く上がるなよ。何されるかわからないからな」


何だかドキッとした。

男の子って、そんな事考えてるの?


「ね~透も女の子と…その…」


「何?」


「何でもない…」


いいかけたけどやめた。何だか聞くのがこわかった。


「麗」


びくっとした。


「えっ!何」


「どうした?ここ座れよ」


「あっ…うん」


「何か麗変だぞ!俺何にもしないから、安心しなよ」


顔が熱くなった。自分の心を見透かされたようで、恥ずかしくなった。


黙ってテーブル近くに座った。透はDVDのスイッチを入れた。


最近流行った恋物語。

ホットミルクを飲みながら、空が夕焼けにそまったのも忘れて、二人で見入っていた。


映画が終わった。シーンと静まりかえった部屋。外がすっかり暗くなっていたのも、わからなかった。


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