初めての恋
はじめての経験
変わらない毎日が続いた。透とは、毎日一緒に学校へ行き、クラスは違うので、学校では別々に過ごしていた。

時々廊下ですれ違うと、お互いに目をあわせて微笑んだ。


ただ少しずつ変わってきていたのは、高校進学に向けて、少しずつピリピリした空気になっていた。


麗は帰り道、透に聞いた。


「ね~透、高校はどうするの?もう決めた?」


「俺は、私立の男子高に行くよ。先輩がそこ行っててさ。前から決めてたんだ」


何だか麗はがっかりした。いつも一緒にいたから、離れるなんて考えもしなかった。


「麗は決めたのか?」

「うん~まだ…」


「そっかぁ~お互い頑張ろうな」


麗は急に寂しい気持ちになった。つないでいた手を麗は強く握りしめた。


「どうした?麗…」


「何でもない…」


「そうだ麗、来週のテスト勉強一緒にしようか。今日うちに来いよ」


「うん!行く行く」


残り少ない学校生活、少しでも透の傍にいたかった。

< 15 / 32 >

この作品をシェア

pagetop