初めての恋
一度家に戻って、着替えをすませた。いつもは嫌いな勉強も、透と一緒にすると思うと、楽しみになる。


近くのコンビニでお菓子とジュースを買って透の家に行った。


前に来た時とベッドの位置が変わっていた。

「透模様替えしたんだ」


「あ~うん。冬になると窓際寒くなるからさ、ベッドの場所変えたんだ」


「前より広くなった感じだね」


「そっかぁ~そうだ!麗こっち来て。麗が来たらって思って、これ買っておいたんだよ」

透が見せてくれたのは、苺の刺繍のついた可愛いクッションだった。


「え~可愛い!ありがとう透。嬉しい」


「良かった。喜んでくれた?これで勉強頑張れるな。さぁやるぞ」

テーブルに隣あって座った。麗は嬉しそうに、クッションを抱えていると


「麗~クッション持ってたら勉強できないって!誰も取らないから、置いておきなよ~」

「ダメ!や~透取らないでよ。うふふ…」


「こらっ~麗…」


結局勉強っていっても、ただ二人で過ごしてる時を楽しんでいた。

学校の事、友達の事などを話しながら、音楽を聞いたりしていた。

夕焼けで麗の頬が赤く染まっていたと思ったら、外はあっというま薄暗くなってきた。


電気ストーブのヒーターの赤い色。オーディオの光だけが、明るく光っていた。
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