私は博士に恋してる。
けれどアメリカは遠い。そして彼に連絡しようとアメリカの彼の電話したりメールするのも億劫になる。番号やアドレスを押すのに手が震えてしまう。その度に虚しさが込み上げて自分の弱さに負けて泣き崩れてしまう時もある。嗚呼、私は彼を好きになっていればきっと良い未来があったのかもしれない。なんで自分は会社のことで揉めて苦しいのに彼のことを想い出してしまうんだろうか…馬鹿だ私。本当に馬鹿…なんで番号一つ押す勇気が無かったのよ。なんで好きでもない彼に対して電話しようとするの?なんで…

何度も何度の夢に出るくらい彼と過ごした大学時代を思い出す時がある。けれどそれはとても切なくてとても苦しい。何故なら私は彼の告白を断って逆に彼を泣かせてしまったもの…

好き…とは言い難い。しかし、思いだすと胸がきゅっと締めつけられる思いに駆られ切ない。

そんな想いを心の内に秘めて何年か過ごしていたけれど、ある日突然日差しの強い太陽が現れて水面下にあった氷が溶ける様に想いが溢れてしまう時がある。

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