私は博士に恋してる。
寂しさを紛らわすために夜の街に出ては途方もなく人に宛がっていた自分がいた。そこで働く自分もいた。

けれど、結局そこは“サミシイ”人間の集まりだった。自分と同じ価値観の人間がいるワケではない。そこには下らないことでも馬鹿騒ぎみたいに騒いで、時には男女が互いに溺れ、時にはお酒に酔い、時には犯罪やクスリに手を染める者もいた。裏では警察と街の人々とでイタチゴッコ。そんな状況を見て何が心満たされるのだろう。そんな状況の中に自分を置いていると益々自分自身が見えなくなっていた。ただお金と道楽に溺れかける自分がそこにいるだけだった。
何よりもそこで聞こえる人の声の響きや笑い声が嫌で嫌で仕方無かった…自分の耳にその”音”が届くと鳥肌が立つくらい拒絶していた。

私はそんな状況から逃れたかった。もう夜の街には戻りたくない。

しかし、そんな自分が次に溺れてしまったのは"過食症”だった。
暴飲暴食に走ってしまう毎日コンビニで100円の袋菓子やデザートコーナーの生洋菓子を大量に購入しては夜一人寂しく自分の部屋でバクバクと食べ続けたこともあった。世間で言うタバコの依存と一緒だ。それをしないと自分の頭がクラクラしたりイライラしてしまうからだ。お腹がいっぱいになれば自分は“幸せ”だと勘違いしていた。

お腹が空いてなくてもお菓子だけは食べたいと何度も袋菓子やお菓子に手を出してはいつも後悔している自分がいた。結局、自分の体や心を蝕んだ結果に繋がった。自分自身が見えなくなってしまったのだ。
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表紙・目次

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