私の王子様は新入社員!?2nd~元カレエリートの恋愛事情~
 確かに三十路も近いし…もう…私には…振袖が似合わないのはわかっている。



 私たちはタクシーでローマ郊外の高台にあるダニエル氏の邸宅に向かう。



 透真は何も言わなかったーー


 私の方から透真から感想が聞きたくて口火を切った。


 「振袖…似合わないかな?」


 「!?」


 透真は…肩をビクッとさせて…驚いた様子で私を見つめる。



 「…お前…ダニエルを誘惑したいのか??」


 「はい??」


 透真がぶっきらぼうに吐き捨てる。

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