私の王子様は新入社員!?2nd~元カレエリートの恋愛事情~
 澪生は寂しげに私を見つめながら唇を離す。


 銀の糸が引きながら…澪生の顔も離れていった。


 私は更なるキャリアを積むため…イタリアに行く。


 「私は行く……」


 「いってらしゃい…麻古さん」


 澪生の瞳は寂しげだけど…口元は笑みを浮かべていた。


 不自然な笑みだけど…

 私との別れの切なさを堪えて…繕う彼の精一杯の笑み。


 私の胸がチクリと痛む。


 でも私はその痛みを…堪えて…澪生の額に自分からキスして…背を向けた。


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