ずっと心に君を


この間よりは早く支度をし、
階段を急いで駆け降りた。



黒い車にもたれて
私が走って来るのを見ているケイは
どこか演出された役者みたいだった。



「この前言ってたすごい所ってとこにご招待しようかと。」


ケイはニコッと笑顔を見せてそう言うと車に乗せてくれた。




「こんな時間にごめんね。
眠かったら寝ててもいいよ。」



車を走らせるとケイはそう言った。



「ううん。大丈夫。
ただちょっとびっくりした。」




それからコンビニに寄って
朝ごはんと言って
サンドイッチを買ってくれた。


大学の前を通りすぎて
20分ぐらい経つと
周りの景色が変わり、
木だけになった。


少し広がった道の端に車を止めると
ケイはカメラを持ってと言った。




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