ずっと心に君を
目の前に広がる世界は
息を飲むほど
美しかった。
微かな太陽の光を
水面いっぱいに受ける湖と
その淵に寂しそうに
だけど立派に立っている
1本の木。
「どう?気に入った?」
誇らしげに笑いながら
ケイが言った。
「うん!
こんな場所があったなんてびっくりした。」
「だろ!?
俺、嫌なことがあったら
いつもここに来て
アキのこと考えてた。」
「私のこと?」
「そう。
今何してんだろなとか
笑ってるかなとか。」
無意識に涙が流れた。
まさか3年前の私と
同じことをしてたなんて。