【完】SHOOT~あなただけのマネージャー~
家に着くと、杏花はまだ眠っていた。
あ。俺の家は、住宅街にある普通の一軒家。
芸能人の息子じゃないんで、普通の家ですね。
父さんは工場に勤めていて、母さんはスーパーのパート。
これまた、父さんが母さんにベタ惚れでさぁ......。
俺の芸能生活は、母さんが友達に勧められて応募したのが始まり。
「るいのおもちゃが、なくなってる!!」
今朝まであったのに!と琉生は探している。
「ごめんね琉生くん、お姉ちゃんがここに片付けちゃった」
おもちゃが片付けてある場所を指す。
琉生はおもちゃに駆け寄って、箱からひっくり返す。
「あっ、琉生!! 楓が折角片付けたのに――」
琉生を叱ろうとすると。
「良いよ凌。琉生くんが楽しそうなら」
人差し指を俺の口に当てて、楽しそうに笑う。
「っ~~~」
心がすごく苦しくなった。