【完】SHOOT~あなただけのマネージャー~
ついに、ドラマの監督や出演者の方と会う日になった。
もちろん楓も来る。
車が来ていたので、楓に知らせようと彼女の元へ行く。
「かえ...で......」
楓はペンダントを付けようとしていた。
しかし、そのペンダントに俺は驚いた。
「ん? 玲王、どうしたの??」
じっと見ていた俺に気づいた楓は、不思議そうに首を傾げる。
「その...ペンダント、どこで...?」
「あぁ、これ?
小さい頃に、社長が家に男の子を連れて来たの。
多分、子役の子かな?
その男の子が、これを私にくれたの。
『いつも泣いてるから、これが見守ってくれるから』って......。
今思えば、くれたんじゃなくて、貸してくれたのかな?」
「...何で泣いてたんだ?」
「お母さんが社長だから、いつも寂しくて泣いてた...。
このペンダント、いつか返さなきゃいけないから、返すその日まで身につけておこうと思って♪」
そう言って、楓はペンダントを触った。
シルバーで翼をモチーフにされてあり、淡いピンクの丸い石が埋め込んであるペンダント。