【完】SHOOT~あなただけのマネージャー~

○お化け

【楓side】




静かで冷たい風が頬を擦る。




「来いって!」



「・・・・・・」



「来いよーっ!」



グイグイと引っ張られる腕。


でも、そこから動かない私。



「いーやーだーッ!!」



絶対に動かないもん!!


だって、洞窟でお化け屋敷とかマジ有り得ないから!!



事の始まりは夕食の時に――――。




「なぁッ、さっき聞いたんだけどこの辺に"お化け屋敷"あるらしいぜ!!」



夕食を食べ終え一息ついたときに、興奮した様子で走って来た陽斗。



そんな陽斗にピクッと体が動く。



「お化け屋敷ぃ? どこにあるんだよ~」



面倒臭そうに聞く凌。



「洞窟だよ! 洞窟!!」


まだ興奮しているのか、二度言った。



< 318 / 412 >

この作品をシェア

pagetop