【完】SHOOT~あなただけのマネージャー~
「揺らしちゃダメだ!!」
由樹が玲王の体に置いていた手を握る。
「とにかく、落ち着いて楓ちゃん」
優しく見据える由樹。
不思議と落ち着く心。
それを確認して
「スタッフさん、救急車お願いします!」
慌てて、携帯を取り出し電話を掛ける。
その間、由樹は玲王の頭にTシャツを破って巻いた。
まるで、テレビでやってたように止血した。
私は、何をすれば良いのか分からなくてただ見ていた。
そんなときに聞こえた声。
「あのマネージャーのせいで、レオくんケガしちゃったんだよね」
「庇ったせいで」
この状況が全てを物語っている。
崩れ落ちそうな木材から逃げれば良かった。
そうすれば、玲王はこんなことにはならなかった。
ううん。私がこの場に居なかったら良かったんだ......。