嫌いなあいつは婚約者
「おはよっ、瑠璃!」
「水菜っ!!おはよー」
教室に入り、今ではもう慣れてしまった松田の隣の席に鞄をおろし、水菜と喋る。
「そーいえば、もうすぐテストだねー…
勉強してないや!」
「え、テスト!?いつだっけ??」
「1週間後だけど…もしかして瑠璃、忘れてた感じ?」
「…………へへっ?」
やばいぞ!これはやばい!
前の学校でも、テストは実技以外補習だったし!
今回は更にいじめのときに授業を集中できなかったのもあって、そのやばさはヒートアップしている。
焦って教科書を開いた私を軽く笑った水菜は「勉強なら松田くんに教えてもらったら?」と言ってきた。
「松田?………あいつ頭いいの!?」
「え、うん。毎回1位だよ?」
「すっごっ!!!」
感動した私は、早速松田に教えてもらおうと頼むことにした。
ほんとは癪だけど…百歩譲って、補習になるよりましだ!と自分に言い聞かせて、その日の夕方、松田家を訪ねた。
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