嫌いなあいつは婚約者



次の日から、早速松田の松田によるあたしのための勉強会が始まった。





「おまえ、俺が教えるからには50位以内には入れよ?」

「無理っス!!」



「…………とっととやれ」


「……………」





こここ怖いんだけど!!


まぁ、猛反対する松田を押し切って松田の家でやろうって言ったのは私だけど…

そこまで不機嫌にならなくても!


ましてや、絵美子さんに「由紀の部屋のほうが集中できるんじゃない?」とか言われて、松田の部屋に来たのは不可抗力だし!!!!






「んーっ」と唸ってると、問題ができないと勘違いしたのか、松田がよってきた。








「遅ぇ!ここは、この式をYに代入して…」



私の右隣にいる松田はシャーペンを動かして私に解説する。



私が問題用紙に載せていた右手と、松田の動かしている左手が近いせいか、肩が触れそうなぐらい距離が近い。






正直、こんな奴でも男子とこういうシチュエーションになるのは……照れる。



右側の気配を意識しすぎて全く解説を聞いてなかったあたしは、もちろん分からないわけで。

「解け」と言われて解けなかったあたしは松田にこっぴどく怒られた。











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