嫌いなあいつは婚約者



「あ、そうだ。おまえ、今までの成績表持ってきたか?」

「うん、ここに!」




渡した成績表をパラパラとめくって見る松田。
そんな松田をよそに、あたしはボーッと松田の部屋を観察していた。




松田家にはよく来るけど、松田の部屋に入ったのは初めてで好奇心がはんぱない。


予想外に松田の部屋に入ったにもかかわらず、松田の部屋は余計なものがないせいか綺麗に整頓されていて、あたしの部屋よりも綺麗かもしれない。





地味に落ち込んでいると、頭を紙の束で叩かれた。





「痛っ!」


「英語と文系の科目は得意なんだな」

「まぁね!!」





英語は小さい頃から父さんに連れられてよく海外に行ったし…。
文章力?みたいなのは、父さんの仕事の人たちとご飯とか食べたりしてるうちについたり!!




「でも、その他が赤点をさ迷ってちゃ意味ねーだろ」




真顔でズバっと言われて傷ついていると、松田は数学や理科の問題集を引っ張り出すと、それぞれ30問ほど丸をつけた。






「1日30問ずつ完璧にしろ
それでもし調べてもわかんなかったら聞け」






そう言ってあたしの隣で漫画を読みはじめた松田。



くそっ!
絶対いい点とってやるからな!!










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