嫌いなあいつは婚約者

ご勘弁を!




微妙な気持ちのまま訪れた日曜日。



どうせなら来なくてもよかったのに…と、しぶしぶ起きたとき、インターホンが鳴った。





「新聞…?」


うちは取ってないけどなーと、上着を羽織ってドアを開けると、そこには松田が立っていた。






「………………」



「……おまえ、無言でドア閉めんなよ」


ガシッとドアを掴んでこじ開けるように家に入ってきた。






「…不法侵入で訴えますよ?」


「約束してたじゃねーか」



「こんな早いとは聞いてない!!」




時計の針は8時を少し過ぎたところ。
普通、こういうのって早くても10時ぐらいじゃないの!?





ズカズカとリビングに行きお茶を出せと偉そうに命令する松田に、多少乱雑にお茶を煎れて渡したあたしは急いで支度をはじめた。











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