嫌いなあいつは婚約者
頑張って堪えていたのに、耐え切れなかったものが目から頬を伝い落ちる。
「分かったか?」
「ん゙っ!」
拳を握りしめた私の頭をぽんぽんと叩くと「あとは食べて薬飲んで寝ろ」と言い、松田は入ってきたときと同じように窓から出ていった。
今日の松田、なんか……いつもと違う//
明らかに風邪とは違う赤みが、頬から離れない。
「寝よ…」
お粥を食べ、薬を飲むと、ベッドに横たわる。
そして私は自分でも驚くほど早く、意識を手放した。
.