嫌いなあいつは婚約者
ドレスを着ているあいつは見惚れるほどで驚いたが、それよりも、似合いすぎていることに、どこか不釣り合いなんだと落ち込んだ。
そんな気持ちをごまかす意味も含めてからかっていると、鳴ったチャイム。
超高価そうな外車に乗り込み、俺たちはパーティー会場へ向かった。
パーティー会場では、慣れない俺とは違って、慣れたように振る舞うあいつに少しムッとする。
分を弁えるように会場の隅の方に寄って料理を食べていると、見覚えのある顔をした奴があいつと喋っていた。
「あいつは……」
考えて、思い出す。
あの顔は、プールに行ったときにいた、ナンパ男の隣にいた奴だ。
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