嫌いなあいつは婚約者



「保健室であたしと会ったとき、あなたは自分が由紀くんの婚約者であることを知っていたのよね?」




「はい。」




「じゃあなんで言わなかったの!?
一人浮かれていたあたしを見て嘲笑っていたの!?」



「違いますっ!」





責め立ててくる真巳先輩に対抗する。


私は、この喧嘩で負けたくはなかった。






「それに、婚約者だなんて…。あなたの家柄からして、政略結婚でしょう?
愛なんてないじゃない!
それで由紀くんを縛るなんて卑怯よ!」



「最初はただの政略結婚で、松田も……少なくとも私は婚約に反対でした!
でもこの数ヶ月、松田と一緒にいて私は松田を好きになりました。
愛がないと言いましたけど…あります。
私が、松田のことが好きなんですから!!」










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