嫌いなあいつは婚約者


「由、紀…くん。」



「先輩、俺もうそろそろ本気で怒りますよ?
今までは特に何も言わずに放っておきましたけど、もう限界です。」






「由紀くんっ!!」




「俺が好きなのは、こいつで、先輩じゃない!」






ずばっと言った松田に、しゃくりあげて泣き崩れる真巳先輩。


行くぞ、と松田に連れられてこの場を離れた私は、後ろから聞こえる泣き声に胸が痛かった。










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