嫌いなあいつは婚約者


「今、おまえの親いるか?」



「いるけど…」



「何するつもり?」と言ったときにはもう遅く、松田は部屋に上がり込んでいた。







「酒井さん、娘さんを…瑠璃を僕に下さい。」




慌てて追いかけた私の目に入ったのは、90度と言っていいほど直角に頭を下げて、いつもでは考えられないような事を言う松田と、
その先にいる父さんだった。











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