嫌いなあいつは婚約者
「………。」
いかにも、認めない、みたいな顔をした父さん。
元はと言えば、父さんが勝手に婚約とか決めたんじゃん!
と、内心思っていると、ずっと黙っていたお母さんが口を開いた。
「あなた、もういいじゃないの。瑠璃も由紀くんもお互い結婚したいって言ってるわけなのだし。」
「けっ、結婚!」
かぁぁぁぁと赤くなる私。
松田を見ると、平然を装ってるように見えて耳は赤い。
「でもだな、母さん。」
「父さん。」
「はい…。」
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