嫌いなあいつは婚約者


「…感動シーンのとこ悪いんだけど、そこ、俺の席。」



「っ!?」





みんなで一斉に振り向いた先には、だるそうに壁にゆりかかっている松田の姿があった。




「松田、てめぇっ!」


男子たちが一斉に松田に走り寄る。



一瞬動くのが遅れた松田は見事に男子たちに捕まっていた。





「おまえ、玉の輿かよっ!」

「いや、俺も一応社長子息だし。」



「関係ねー!」



そう言って男子たちにもみくちゃにされる松田。
その様子に、私たちは全員笑った。










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