嫌いなあいつは婚約者


「ほら、起きろー」という先生の声を聞いて顔を上げると、もう藍色に染まりかけている空が目に入った。




「えっ!?」

焦って周りを見渡すと、もう既に生徒は誰もいない。


先生を見上げると、悪そうな顔でニヤリと笑われた。




「それ、半分終わらせて帰れよ?」



「もう半分は宿題で許してやるからー!」といって教室から去る先生。



んな殺生な!







そんな思いなんてよそに、プリントの山は私を待ち構えていた。











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