嫌いなあいつは婚約者
やっと………終わった…。
死にかけている私の目の前には、半分終わったプリント。
これでも半分しか終わっていないっていうんだから、嫌になる。
「うわっ、真っ暗!」
外の暗さに驚きつつ、帰る準備をする。
下駄箱まで降りたとき、玄関の前で寄り掛かっている人影が見えた。
近付くにつれあらわになる顔。
その顔は見慣れているものだった。
「おせーよ。」
「ごめん。…でも、なんで松田がここに?」
「別に、たまたま。」
そういって、早くしろと私をせかす。
急いで靴を履き変えると、小走りで松田の隣へ向かっていった。
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