嫌いなあいつは婚約者



早いリズムで聞こえる足音が止まったと同時に見えた由紀。

息がはずんでいて、走ってきてくれたのが分かった。



そして、私と、私の上に乗っている男の人を見るなり、一瞬驚愕を顔に浮かべた。





「なんで幹也が……留学は?」


「今は長期休暇なんだ!」





さっきとは打って変わって、にこやかな笑顔を向ける男の人。


怪訝な顔をしていると、由紀と目が合った。











.
< 308 / 335 >

この作品をシェア

pagetop