嫌いなあいつは婚約者



瑠璃が退院するまで、兄さんは毎日通っていた。


そんな兄さんと事故後にした約束は、1度見舞いに行くこと。

そしてその約束を果たしに、退院する前日、顔を出しに行ったのだった。








「あ、幹也くん。」


ノックをしてから無言で部屋に入ると、声をかけられた。




「まぁ座って?……というか、座れ。」




怖い笑顔で言うために逆らえず、おとなしく椅子に腰掛けた。





「……別に気にしなくて良いよ。私が自分でやったことだから。」











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