嫌いなあいつは婚約者
「あぁ?痛ぇなー。骨折しちまったかも。どうしてくれんだぁ?」
ニタニタと笑ってくる。
そんなんで骨折するわけないでしょ!
そう言いたいのに怖くて言えず、ただただ「ごめんなさい」と謝るあたしの肩に不良のお兄さんは手を回した。
やばい、と泣きそうになる。
そのとき、助けが現れたのだ。
「やめろよ!」
肩に回る手を叩き落として、知らないお兄さんはあたしと不良のお兄さんの間に立った。
「なんだお前。」
「彼女、嫌がってるだろ?」
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