６月の蛍―宗久シリーズ１―

｢男と逢い引き等しおって！子供ができなんだはそれが理由か！｣









逢い引き…………。









｢お前はこの家の恥だ！｣









知っている………。




姑は、知ってしまったのか？






なぜ……誰が……。



それを知る者は、誰も……。








金森の薄笑いを、思い出す。




金森が話した？






それは、無い。






あの卑怯な男に、私との関係を切ろうとする素振りはまだ無かった。



あの男にも家庭がある。




子供を産めない身体の事を話すならまだしも、関係を話す事はないかもしれない。







では、一体……誰が……。









｢噂になっているそうではないか！いい笑いものだ！｣






……………噂。









私の脳裏に、意味有り気に笑う来客の姿が浮かんだ。





姑の機嫌を取りに来る……叔母の………。






噂を作り、可笑しく話すのが好きな叔母だ。







叔母が、話した？






何かを、知って………。






姑に…………。






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