6月の蛍―宗久シリーズ1―
雪はしんしんと、辺りの景色を白く塗り替えていく。
ただ降り積もる為だけに、降りてくる。
この世界を、浄化するかの様に………。
「………綺麗…」
雪が頬にかかり、私はかじかんだ指でその場所をなぞった。
「あ…!」
途端、風が肩掛けをさらっていく。
手を伸ばした………瞬間だった。
雪に足をとられ、よろめく。
……視界が、回転した。
凍えた身体に、頭に、激痛が走る。
痛みの悲鳴を上げる間もなく、私の身体が、流水の様に流れて落ちていくのを感じた。
私は…………どうなったのだろう。
目の前には、平行に広がる近い地面。
落ちてくる、雪の破片。
それから………その雪の絨毯の上に広がっていく………赤い………模様……。
身体が、動かない。
力が、入らない。
声も、出ない。
何が起こったのだろうか。
.
ただ降り積もる為だけに、降りてくる。
この世界を、浄化するかの様に………。
「………綺麗…」
雪が頬にかかり、私はかじかんだ指でその場所をなぞった。
「あ…!」
途端、風が肩掛けをさらっていく。
手を伸ばした………瞬間だった。
雪に足をとられ、よろめく。
……視界が、回転した。
凍えた身体に、頭に、激痛が走る。
痛みの悲鳴を上げる間もなく、私の身体が、流水の様に流れて落ちていくのを感じた。
私は…………どうなったのだろう。
目の前には、平行に広がる近い地面。
落ちてくる、雪の破片。
それから………その雪の絨毯の上に広がっていく………赤い………模様……。
身体が、動かない。
力が、入らない。
声も、出ない。
何が起こったのだろうか。
.