6月の蛍―宗久シリーズ1―
視界の隅に、石段の最下段が見える。
私は………あそこから落ちたのだろうか。
雪に足を取られたのは覚えている。
視界が回転したのも。
あの時に、落ちてしまったのだろうか。
赤い…………これは…血?
頭が、痛い。
身体中、どこに痛みがあるのか、わからないくらい。
きっと、どこかをぶつけて怪我をしたに違いない。
一瞬、家を出てはならないという義弟の言葉が浮かんだ。
彼はもしや、この事を予言していたのだろうか。
不思議な人だから。
このまま倒れていては、私は危ない。
朝には、冷たくなってしまう。
助けを呼ばなくては。
立ち上がり、立って………助けを………。
助け…………?
誰に?
…………笑えた。
なぜか、私は微笑んでいた。
.
私は………あそこから落ちたのだろうか。
雪に足を取られたのは覚えている。
視界が回転したのも。
あの時に、落ちてしまったのだろうか。
赤い…………これは…血?
頭が、痛い。
身体中、どこに痛みがあるのか、わからないくらい。
きっと、どこかをぶつけて怪我をしたに違いない。
一瞬、家を出てはならないという義弟の言葉が浮かんだ。
彼はもしや、この事を予言していたのだろうか。
不思議な人だから。
このまま倒れていては、私は危ない。
朝には、冷たくなってしまう。
助けを呼ばなくては。
立ち上がり、立って………助けを………。
助け…………?
誰に?
…………笑えた。
なぜか、私は微笑んでいた。
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