6月の蛍―宗久シリーズ1―
咲子さんは、まだ不安が消えない様子だった。
迷う様にうつむき、足元を見つめている。
「ですが…弘文さんは……」
他界してしまっている。
だからこれは、僕の役目…になるのだろう。
「多分、咲子さんの求めている答えに、僕も答えられると思います」
咲子さんは顔を上げた。
「本当ですか?」
「ええ」
笑って見せた僕に安心したのか、咲子さんもまた、ようやくほっとした笑顔を見せた。
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迷う様にうつむき、足元を見つめている。
「ですが…弘文さんは……」
他界してしまっている。
だからこれは、僕の役目…になるのだろう。
「多分、咲子さんの求めている答えに、僕も答えられると思います」
咲子さんは顔を上げた。
「本当ですか?」
「ええ」
笑って見せた僕に安心したのか、咲子さんもまた、ようやくほっとした笑顔を見せた。
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