6月の蛍―宗久シリーズ1―のレビュー一覧
幼い頃に読んだ怪談話ーーー そこには、『色』が凪がれていました。 その『色』は、幼心を擽る淡く切なる色。 不思議と、引き込まれていったものです。 こんな淡い記憶が、ふと蘇る作品。 目に浮かぶ景色はセピアにぼやけ、 ただただ、魅せたい色だけはっきりと蘇る。 蛍の光。 雪の白。 紫陽花の…… しっかりとまとめあげられた作品からはホラーという枠を超え、語り部が伝えたい叙情溢れる世界観を、くっきりと読み手に刻むことは確か。 切なる女心。 それに応える、不思議な力ーーー 現代版『怪談』。 そう呼べるにふさわしい、この作品。 『6月の蛍』 胸が震えました!
しっとりとした雰囲気の中、優しく綴られた、切なくも儚い物語。 昔ながらの日本情緒溢れる情景描写が、より一層、幻想的な世界を彷彿させます。 昔語りのような、怪談のような幻想的な世界を、十二分に堪能できるはずです。 作者・キミエさんが紡ぎだす、優しい言葉の連なりに、あなたも夢中になることでしょう。 是非とも、紫陽花が花開くこの時期に、読んで頂きたい作品です。お薦めします!
暗闇の中で仄かに放つ蛍の光…その柔い光には何が照らし出されているのか…。 古き良き時代の日本を、色濃く描き出した多彩な描写は、日本に生まれて良かったと心が和んでしまうでしょう。 永久に変わる事のない愛など存在するのか?と思われた方には是非読んで頂きたいと思います。
白い。 眩しいくらい、真っ白。 繊細に紡がれた言葉たち。 絡み合っては、溶けていく。 熟考されて開けられた行間がとても心地いいです。 読者をどっぷりと物語に引き込む、行間。 瞼の裏に一面の雪を想い描けるだけの、行間。 思いやりの、行間。 物語の一部をなす、行間。 静寂を表す、行間。 この物語を読み終えた後。 あなたの心には何が映りますか。 私の心には、暖かい雪がしんしんと積もりました。 冷たい雪じゃない、暖かい雪が。 その意味は、あなたが自分で確かめてみてください。
純粋さや心情がよく描きこまれていて大変に胸を打たれました。 他の作品ですでに知らされていた描写や叙情といった作者の筆力もあます事なく発揮されていて、他の作品と一緒に是非書籍化して欲しいです。
儚くも切ない愛が綴る、素敵な物語です。 私はこの作品のような、少し不思議で幻想的な世界観が大好きなので、お気に入りの一作になりました!! 必読です(・∀・∀・!!!
しっとりと書き綴られた、幻想的な世界。 咲子の、はかなくも一途な想いが彼の元へと届いた… 6月の蛍が、咲子を安息の地へと導いてくれるのだろうか… こんなにも切なく物憂げな作品は キミエさんだからこそ! 絶対に読んで損はしません!是非♪
編集部お勧め作品に今週から掲載されている「俺と葉月の49日」の作者、キミエさんの最新作。 不思議な「ある能力」を持つ「僕」のもとへ訪れた儚く美しい女性。 「僕」は、彼女の透き通った過去の記憶に足を踏み入れていく――。 しっとりと、切なく綴られた愛の物語。 昔語りのようでもあり、ホラーのようでもあり。 独特の魅力に満ちた作品です。 シリーズ化で、大きく育って行きそうな予感あり。 一緒に、「僕」とこの物語の成長を見守りませんか?
綴られたこの不思議なストーリー。 まるで南の島の海ように透き通った言葉が紡ぎ出す文章は、儚くもストレートに脳内に浸透していく。 死して尚、遺した切なる想いを柔らかな描写で魅了する。 必必必……必読です!