バイク>オレ>オンナ
自分でも不思議だった





たった数時間前に
出会ったばかりの見知らぬ女を





こんなにも無事であってほしいと願い
こんなにも愛おしいと思い
こんなにも力になってやりたいと思うなんて……。




オレはもう自分の感情に
嘘がつけなくなってきた





彼女には彼氏がいるという事実を知り
その関係に立ち入りたくはないという思いから
自分の理性で彼女が好きだということを
がんばって掻き消そうとしていた




しかし、手術中に彼女のことを思っていたときに
どんどん彼女に惹かれていった

彼女の黒い髪の毛
一度でも触ってみたいと思い

彼女の笑った顔は
どんなだろうかと考えたり

彼女は…彼女が…彼女の…





完全に
一目惚れだった





オレが18のころ
kawasaki 900 z1に
出会ったときのような
あの感じ……




いや……それ以上だ
オレはバイクに出会ったとき以上に
彼女に惹かれていた





オレは彼女の何一つ知らない
彼女の名前も年齢も
どんな性格をしているのかも何もしらない




ただ彼女に関して知っているのは
SRに乗っていることそれだけだ





でも、
そんな彼女の力になってやろうと
それからオレの彼女を看病する
生活が始まった












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