キマイラ
「寅沢さん」
海璃くんが俺を手招きした。
なんだ?
近くに行くと海璃くんは耳元に話すように背を伸ばす。
当然ながら海璃くん俺より小さい。
愛澤さんよりちょっと小さいくらいかな?
俺は耳が届くように背を下げた。
めー姉ちゃんに聞かれたら嫌な話か?
と思ったら、
「でも今のでショック受けてるくらいじゃめー姉ちゃんは諦めた方がいいよ」
「は?」
悪戯っぽくかわいくニッて笑って言った。
え?何その発言。
「じゃ、僕帰るね!バイバイめー姉ちゃん!寅沢さん」
『うん、バイバーイ』
「え、うん……バイバイ」
『海璃になんて言われたの?』
「……小悪魔だァァー!!!!」
『は?』
俺のライバルって何人いるんだよ!!!!