キマイラ
このご時世、就職は難しい。
大卒であった方がいいに決まってる。
勉強はしといて損はない。
「んじゃ、先生お願いしまーす」
「ったくギリギリに出すなよ?でもこんなほぼ毎日とってるやつなんてほとんどいない」
「先生俺真面目っしょ?」
「それはその頭を染め直してから言え」
「……じ、じゃあ先生さようなら!」
そう考え、今日提出の夏休み課外の希望用紙を帰り際に先生に提出した。
夏休みはほとんど学校で過ごすことになるけど、これも愛澤さんに会うため!
愛澤さんに会えて勉強も出来る、一石二鳥でよくね?
不純な考えではあるが俺にとっては大事なことだった。
「あ、春樹!どこ行ってたの?」
1階の下駄箱に少し職員室に寄るだけだからと友達を待たせていた。
だから早くその友達の元へ走って行こうと思い、職員室を出て教室に置いてあるカバンを取りに行ったのだが、教室に行くと美奈がまだ教室にいた。
他の女子と喋ってたらしい。